花栽培のお悩みを解決①「ハーブと植えれば虫はつきにくい」

2022年04月15日

いきなりですが、ご自宅で花を育てている方が増えています!
産経リサーチ&データが行った「花と緑についてのアンケート」(2021年調査、回答2660人)では、自身で植物を育てている(育てていた)との回答が8割を超えていました。

全国1989人を調査(©︎産経リサーチ&データ)

たくさんの方がお花の栽培を楽しむ一方で、多くの方が「虫がつきやすい」などのお悩みを抱えているそうです…。そこで、世界最高峰のガーデンショー「チェルシーフラワーショー」などで活躍する庭園デザイナーの石原和幸さんと、全国で緑化や庭園づくりを行う庭師の石井友里亜さんに、虫がつきにくい植物の育て方について、ワンポイントアドバイスをいただきました。

同じお悩みを抱えている方はぜひご覧ください!

風通しの良い場所で育てるのが基本

アンケートによると、「虫がつきやすい」と悩んでおられる方は34.2%を占めています。植物に虫がつく原因はいくつかありますが、石原さんによると、一番大きな要因は風通し。通気が悪いと植物の成長を阻害するばかりか、虫が群れて滞留することになります。石原さんいわく「風通しの良いところに植える(置く)というのが鉄則」とのこと。室内で育てている植物も、温度差がない時期は外に出してあげると良いそうです。

もともと虫がつきやすい植物もあります。特に菜の花はアブラムシがつきやすいですよね…。石井さんによると、アブラナ科にはアブラムシ、柑橘系にはアゲハチョウの幼虫など、植物によってつきやすい虫が異なるそうです。なかには、テントウムシのようにアブラムシを食べてくれる益虫もいるんだとか。虫は全てが害虫ではないので、正しい知識を身につければ、虫と共生することは可能です!

また、石井さんは、虫のつきやすい植物の周りにハーブを一緒に育てることを勧めてくれました。基本的に虫はハーブを好まないので近寄ってきません。こまめに草むしりを行い、枝葉や花殻も取って風通しをよくすれば、虫はつきにくくなるようです。

肥料を与えるタイミングは人間と同じ

また、28%の方が「肥料の種類やタイミング、与え方が分からない」(28.0%)と回答されています。石原さんによると、肥料を与える時期は、人も植物も変わりがないそうで、「人はおなかが空いている時や力を使い果たしたときに食事を摂るでしょう。花も同じです。これから力を出さなくてはならない開花前、それと咲き終わったときに肥料を与えるのが基本です」とのこと。

植物によっては、日なたを好むもの、日陰を好むものがあり、それぞれの植物によって元気に育つ環境が違います。もっと突き詰めれば原産国の風土も影響しているのだとか!特徴や性質を知れば、ますます花や苗木に愛着が湧いてくるのではないでしょうか!?

今回は一般論としてアドバイスをいただきました。
次回はアンケートの自由回答に寄せられた、具体的なお困りごとについてお答えいただきます。
楽しみにしていてくださいね!

石原和幸(いしはら・かずゆき)
世界で最も権威がある「英国チェルシーフラワーショー」で合計11個のゴールドメダルを獲得する庭園デザイナー。エリザベス女王から“緑の魔術師”と称えられている。羽田空港第一ターミナル「花の楽園」などをプロデュース。故郷・長崎の高台に花と緑があふれる「三原庭園」(入園無料)を開設した。

石井友里亜(いしい・ゆりあ)
母・村上とも子さんが神戸市で営む造園会社「ガーデンブリング」で主に園芸部門を担当。各地で花のワークショップなども展開。31万人を動員した大阪・梅田の「うめきたガーデン」では、とも子さんとともにフラワーディレクターを務めた。

左から、石原和幸さん、石井友里亜さん