リニア 名古屋開業時の東京-大阪間 「乗り換えなしの『のぞみ』利用」42.2 %

2024年07月19日

リニアモーターカー計画は、近年の日本における最も注目されている交通インフラプロジェクトの一つです。超電導リニアモーターカーによるリニア中央新幹線は、2034年以降に東京-名古屋間の開業を予定しており、その後大阪までの延伸が計画されています。リニア中央新幹線の開業による経済成長の促進や地域活性化が期待されています。

リニアモーターカーは現在の東海道新幹線の時速285km/hよりもはるかに速い時速500km/h以上での走行が可能で、東京-名古屋間を約40分で結ぶことができます。これにより都市間の移動時間が大幅に短縮されるとともに、ビジネスや観光の活性化が期待されています。特に沿線地域における経済効果が大きく見込まれており、自治体や企業はリニア中央新幹線を活用した地域活性化策の検討を進めています。

くらするーむでは10年後の2034年以降のリニア中央新幹線の開業を見据えて、現時点での国民の意見を集約するため「リニアモーターカーについてのアンケート」を実施、概要は以下の記事にまとめました。リニア中央新幹線の早期開業を望む声が48.3%と半数近くに達し、特に移動時間の短縮への期待が高いことが示されました。一方で、工期の遅れや工事費用の増大に対する懸念も強く、環境問題に対する対応が課題となっています。運賃に関しては、東海道新幹線「のぞみ」より2千円プラスが最も適切とする回答が多く寄せられました。

■リニア中央新幹線「早期開業を」が半数近くに 「期待」は73% 「くらするーむ経済部!」

https://www.sankei.com/article/20240614-XDJFTEESKVNNTEPYX5GRXT5FCQ

(アンケート期間 2024年6月5~12日 回答 2656人)

今回のデータレポートでは上記の記事では紙面の都合上掲載しきれなかった、東海道新幹線との比較を中心に取り上げていきます。

まずは、リニア中央新幹線が品川-名古屋間で開業した場合、東京-大阪間はどちらの新幹線を利用しますか?という質問に対する回答を見ていきましょう。

リニア名古屋開業時において、東京-大阪間で乗り換えなしの「のぞみ」利用したいという方の割合は42.2 %となりました。「リニア+東海道新幹線(名古屋乗り継ぎ)」が15.1%、「料金による」が35.3%ということでリニアを使う可能性のある方は約半数でした。東京-大阪間の移動時間が短縮されるとはいえ、名古屋での乗り継ぎはやや面倒ですよね。

エリア別にも見てみましょう。全体の結果と同じような形ですが、東京~大阪の沿線外に住まれている方のほうがリニアを使う割合がやや高くなっています。

次にリニアが品川-大阪間で全線開業した場合どちらを利用しますか?という質問に対する回答を見ていきましょう。

さきほどの結果と打って変わって品川-大阪間で全線開業後におけるのぞみ利用者は8.3%と激減しました。一方で「リニア+東海道新幹線(名古屋乗り継ぎ)」が47.0%、「料金による」が38.3%で、リニアを使う可能性のある方が85.3%となっています。みなさん乗り継ぎは嫌いなのかもしれません。

また、選択理由として「料金」を挙げている方も多数おられます。では、みなさん運賃がいくらであればリニアを選択するのでしょうか?

東京(品川)~名古屋間の利用の場合、東海道新幹線の「のぞみ」と同程度~5000円プラスまでが適切という方が9割近くおられます。現状、東海道新幹線「のぞみ」の東京-名古屋間は指定席利用で約11,000円ですので、同区間でリニアを利用する場合は11,000~16,000円あたりが適切と考えられています。東海道新幹線を利用するかリニアを利用するかを判断する上で、料金は重要なキーポイントになっています。

最後に、みなさんの利用目的について確認しましょう。

複数回答ありでの結果ですが、ビジネスや帰省による利用も多い一方で、やはり観光・旅行が大多数を占めています。移動時間が短縮されると現地での時間が有効に使えるようになります。ほかにも、その他の回答として「試乗してみたい」という意見が多く、新しい交通機関としての関心の高まりがうかがえました。