2013年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された「和食 日本人の伝統的な食文化」。ユネスコへの提案書では、正月などの年中行事に、お節を囲み、食の時間を共有することで家族や地域の絆を強めていることも和食の特徴として挙げました。お正月は家の外に門松(松飾り)・しめ飾りを、家の中に鏡餅を飾り、その年の福徳をつかさどる歳徳神(歳神さま・お正月さま)を一年の初めに家々でお迎えし、幸運や健康を願う行事。くらするーむ会員のご家庭での1年の始まりはどのような状況だったのでしょうか。アンケート結果を見ていきましょう!
おせち「買う」お雑煮「作る」派 約3割でトップ
家族の状況を含めて、正月料理のおせち料理、お雑煮の状況について聞いたところ、おせち料理は買ってお雑煮は作った世帯が32.4%でトップとなりました。次いで、おせち料理もお雑煮も作った世帯が26.0%、どちらも作らなかった世帯が15.0%の順でした。おせち料理を買った世帯は約4割と、おせち料理は買う派が主流となっています。
おせち料理、お雑煮を作ったかどうかを世帯別で見てみると、夫婦のみ、親子、3世代世帯では「お雑煮だけ作った」が4割以上を占めてトップ。他方、単身、その他世帯では「どちらも作らなかった」がトップとなりました。おせち料理、お雑煮どちらも作った割合は3世代世帯で37.3%、親子世帯で27.5%でした。
正月お飾り、鏡餅どちらも自宅に「飾った」37.6%
正月お飾り、鏡餅を自宅に飾ったかどうか聞いたところ、どちらも自宅に飾った世帯が37.6%、どちらも自宅に飾らなかった世帯が37.1%でした。
世帯別で見ると、3世代世帯では正月お飾り、鏡餅のどちらも飾った世帯が56.8%と半数以上となっているものの、夫婦のみ、親子世帯ではどちらも飾った世帯が約4割、どちらも飾らなかった世帯が3割となっています。
会員の皆さんからのコメントとして、
「伝統的行事に対する個人個人の受けとめ方が、著しく変容してきたと思います。残す努力も必要ですが、新たな価値観も受け入れた文化の醸成も一方で必要かと。真に必要なものが次代に引継がれることが肝要かと考えます」(61歳男性)
「伝統的なお正月を過ごすことはよいと思います。お節料理は事実上働いている以上準備に費やせない。これが現状です」(52歳女性)
「昔からの習慣で、残していきたいものもありますね。でもおせちを一から自宅で作るのは大変ですし、出来合いのものを少しでもお正月の食卓に取り入れるとか、年賀状も (切手代上がるので来年は激減しそうですが)少しでも出す相手を残すとか、混む元日ではなく年末にお参りに行くとか、自分に合った範囲で工夫して楽しんでいきたいと思います」(57歳女性)
などの声がありました。
日本の豊かな自然、四季の移ろいの中で育まれてきた、自然を敬い、感謝する日本人の心。その食文化として無形文化遺産と登録された「和食」。食文化だけでなく、今回の正月行事など、自らの国や地域の伝統・文化について理解を深め、尊重する。そういった心を大事にしていけるとよいですね!