増える生涯未婚者と高齢独居世帯。50代から始める、おひとり様の終活術

2022年04月15日

「おひとり様」として人生の最期を迎える人が急増。
さらに、子供や肉親がいても「世話になりたくない」と考える人も多いです。
そんな人たちが直面するのが、死後に「自分の遺骨をどうするか」という大問題です。

将来の一人暮らし意識

おひとり様時代の到来を強烈に印象づけるデータがあります。
「国境なき医師団日本」が、遺贈に関する意識調査のために2016年に実施した調査での数字です。
対象は15歳から69歳の男女1000人です。

「自分が老後に身寄りのない状態(おひとり様)になってしまうと、どの程度感じるか」と質問したところ、「きっとなってしまうと思う」が24.8%、「どちらかといえばなってしまうと思う」が35.5%、合計で60.3%が老後の一人暮らしを意識していました。

(終活と遺贈に関する意識調査2016より 国境なき医師団調べ)

10代や20代でも半数以上が、老後の一人暮らしを意識しており、その率は50代や60代よりも高いことがわかりました。
また、独身者においては、30代では78.6%、40代では83.3%もの人が、老後での独身生活を意識していました

50歳で未婚、男性3割 女性2割

現実に、すでに少子高齢化や価値観の変化を背景に、おひとり様の激増は始まっています。

50歳の時点で結婚経験のない「生涯未婚率」は、男性では3割、女性では2割に達しようとしています。1990年には男女ともわずか5%程度しかいなかったことを考えると、その激増ぶりがうかがえます。なぜ未婚者が増えているのか。理由には、「出会いがない」「経済的な事情」「結婚したくない」といったさまざまな要因が絡み合っているといわれています。

おひとり様増に、拍車

世帯の単身化と高齢化も進んでいます。2019年の国民生活基礎調査によると、全国の世帯(約5700万世帯)のうち、半分(49%)が65歳以上のいる高齢世帯。さらに、そのうちの6割以上が「夫婦のみ」(32.3%)か「ひとり」(28.8%)で暮らしています。2020年の高齢独身暮らしは702万人(世帯)、40年には896万人にもなるとみられています。

「子供がいない」「子供が遠方にいる」「子供と住みたくない」「伴侶に先立たれた」「離婚した」…。そんな理由が挙げられていました。

あと10年もすれば「団塊世代」(1947〜49年生まれ)が全員80歳を超えることを考えれば、単身高齢者の増加に拍車がかかることは確実です。高齢の「おひとり様」であることが、普通になる社会に突入しつつあるのです。

独居生活、女性は満足度高い

おひとり様の生活にはいいこともあります。「自分のペースで行動できる」「親族など人付き合いの煩わしさがない」「親族など人付き合いの煩わしさがない」「お金を自分の判断で使える」…などです。

高齢(65歳以上)のおひとり様、約1500人を対象に、内閣府が2015年に実施した調査では、「自分の生活に満足しているか」との問いに対して、78.7%の人が「はい」と回答しています。性別にみると、男性は69.9%だったのに対し、女性は83.0%が「はい」と答えていました。

同じ質問について、「未婚」「離別」「死別」に分類して性別でみてみると、男女差が一番大きかったのは「未婚」の場合で、満足とした男性が69.7%だったのに対し、女性は85.6%でした。「死別」では、男性の75.5%に対して、女性は83.5%が満足と回答しています。

お墓について考えている、60%

総じて満足度が高いおひとり様生活ですが、避けては通れない問題がついてまわります。「終活」です。
内閣府がおこなった調査では、高齢のおひとり様のうち44.5%が「孤独死を身近に感じる」と回答しています。

(内閣府「一人暮らし高齢者に関する意識調査 2015」より)

また、「終末期医療」「葬儀」「お墓」について、それぞれ、「準備や方法について、どの程度考えているか」をたずねた質問では、「考えている」との回答は、終末期医療(53.4%)、葬儀(61.2%)、お墓(60.8%)となりました。半数以上の人が、自分の最期について準備や意識をしていることになります。

(内閣府「一人暮らし高齢者に関する意識調査 2015」より)

半数が将来に不安

同様に、おひとり様と終活に関しての調査では、終活関連サービスの仲介などをしている「鎌倉新書」が2019年に60歳以上の「身寄りのいないおひとり様」と「(夫や妻以外に)身寄りのいない夫婦」の556人を対象にしたものがあります。
「いずれは人で死期を迎えることに対して、不安を感じるか」という質問に対して、「不安がある」との回答は45.7%にのぼりました。「不安はない」は30.7%でした。

すでに、「おひとり様」となっている人よりも、その予備軍である「身寄りのいない夫婦」のほうが不安度は高く、「不安がある」と答えた人は56.8%にのぼり、「おひとり様」では37.5%でした。

8割が終活準備なし

「不安がある」と回答した人に、「死後事務」「遺品整理」「相続」など終活に関連する項目についての準備状況を聞いた質問では、いずれの項目の8〜9割の人が、「不安を感じつつも準備ができていない」という結果が出ていました。

※ 本記事は、産経新聞出版発行「終活読本 ソナエ」に掲載された記事を再編したものです。