「貯蓄から投資へ」政策は格差を広げるのか【投資や資産についてのアンケート結果④】

新NISAについてのデータレポートの最終回は、類似の制度であるiDeCoについて、そして最後に岸田政権の政策「貯蓄から投資へ」についてご紹介します。

投資運用による資産形成をサポートする制度としては2001年から開始した個人型確定拠出年金・iDeCoも忘れてはならない存在です。この制度は自分が拠出した掛け金を自らが運用し、60歳以降に年金として受け取る「もうひとつの年金」として知られているもので、NISAに比べて引き出すタイミングが60歳以降という制限があるものの、運用益が非課税になることに加えて毎月の掛金が全額所得控除となるという魅力があります。

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◆iDecoの認知度

「iDeCOはしていますか?」という質問に対する回答は、「している」が10.1%とNISAに比べると大きく劣るもので、「知っているがしていない」が44.9%、「聞いたことはあるがよくわからない」が24.6%、「知らない」が16.8%という結果になっており、NISAに比べて制度がまだまだ浸透していないこと、加えて60歳以降にならないと引き出せないという制限で加入していない人が多数であることが分かります。

しかし、iDeCoも今年12月の改正で拠出限度額と加入対象者の拡大が行われるため、NISAのようにiDeCoを多くの人が利用する未来も近いかもしれませんね!

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◆NISAに対して消極的な理由

一方で「NISAをしっているがやっていない」と回答した人たちに対してその理由を尋ねた結果が以下になります。

「NISAに回せる資金がない」と答えたのが27.7%と最も多く、次に「制度、仕組みがよくわからない」が22.8%、「関心がない」21.9%、「手続きが面倒」20.6%、「投資をするつもりはない」19.8%、「暴落などのリスクがある」19.5%と、資金面や投資リスクの問題以外にも制度や仕組みがわからない、関心がない、面倒、と考えている方が多くいる結果になりました。

このように岸田政権が掲げる「貯蓄から投資へ」というスローガンに対して、いまだ投資に対して積極的ではない意見も多く、以下のアンケートではその意見を如実に示しています。

これは「岸田政権の『貯蓄から投資へ』の政策についてどう思いますか?」という質問への回答で、「株式市場が活性化する」23.3%、「もともと貯蓄より投資と考えていた」15.5%、「海外はそうなので日本もそうあるべきだ」7.0%と肯定的な意見があがる一方で、「投資余力やマネーリテラシーのある人とない人の格差が広がる」が32.9%、「自分には関係ない」13.1%、「投資より貯蓄を推奨すべきだ」7.0%と否定的な意見も肯定的な意見と同程度あがっています。

このように投資に対して否定的な意見はいまだ根強く残っており、金融リテラシーの低さゆえにNISA制度の金銭的なインセンティブを訴求しきれていないのが現状です。金融リテラシーの向上のための取り組みを考えるにあたっては、諸外国ですでに取り組まれているような、金融リテラシーを高める行動自体にインセンティブを付与する取り組みも重要になると考えられます。(野村総合研究所「若年層における“貯蓄から投資へ”の行動変容を促すポイント」より)

岸田政権の下で経済政策はさまざまな動きを見せており、投資に関してもそれぞれのライフプランに合わせた多様な選択肢から選択の幅が広まっています。リスクもある一方で今後の資産形成において重要な役割を担うであろう投資。「貯蓄から投資へ」のスローガンのもと、様々な制度が増えていく中、上手に国の制度を利用して投資について考えていきましょう!

【調査概要】
調査対象:有効回答 2009人(男性 1342、女性660、性別無回答7)
調査期間:2024年3月7日~17日